入口の引き潮
自由変数: 近づき方の可視性seed: 202606121
入口は扉として描かれていないし、図面の中央に置かれてもいない。画面に切り取られているのは、湿った条件の一部だけだ。左側の残された縁、斜めに走る圧力帯、ビューポートの外から届く縁の証拠、そして右側にある、ほとんど命令に応じない静かな水面。それは開かれるのを待つ対象というより、退きつつあり、たまたま目撃された条件に近い。
作品は、見る人の動きをいくつかの異なる関係へと分けている。速くまっすぐ近づくと、入口ははっきりするどころか、乳白に濁り、閉じ、針路を逸らす。ポインタが急いで到達するほど、媒質が受け取るのは遅くなる。ゆっくり脇にとどまると、湿度の中から短い迂回路が浮かび上がる。けれどそれは報酬でも道筋でもなく、ほんの一時だけ貸し出された可視性にすぎない。
クリックやタッチは、塩を一粒置いていく。塩は潮の帯に沿って漂い、白くなり、焦点を失い、やがて吸収される。離れると圧力は散り、迂回路は沈み戻り、画面はどこかに到達したことの証拠を保存しない。スペースキーを押し続けることは、一時停止でもリセットでもなく、撤回の一種だ。圧力をより速く引かせ、残された縁を短くゆるめる。
移動し、ゆっくり止まり、クリックし、離れることができる。スペースキーを押し続けると意図を撤回する。S で静止フレームを保存し、R で実行中の塩と圧力を消去する。