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彁の履歴

彁の出自欄は空白のままなのに、交換はもう始まっている。幽霊文字を存在しない字と言ってしまうのは、手っ取り早い言い方だ。いわゆる幽霊の多くは、のちに地名、人名、異体字、あるいは誤記という由来を見つけた。彁はもっと狭い。再調査のあとでも、ほとんどフィールドだけに支えられている状態に近い。

SEI、gē、go1、NMRR、1122.1 は、その来歴を補ってはいない。それらは処理値だ。システムがこの符号位置を受け取ったとき、少なくともどう調べ、どう並べ、どう渡せばよいかは分かる。

由来は補われないまま、交換はすでに起きている。だから削除は、もはや片づけのようには見えない。それを取り除けば、フォント、入力方式、古いテキストのあいだに、新しい断線、誤字、交換不能なテキストを生み出すことになる。システムは、それがどこから来たのかを信じる必要はない。けれど、次のシステムへどう手渡すかは知らなければならない。

タイトルやトリガー記号のような用法が借りているのは、古い負債の少ない空き地だ。空白は来歴で埋められたのではなく、用途として登録されただけだった。履歴の最後の欄にあるのは生涯ではなく、使えるということだ。